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特別展示室

特別展示室では、タイムリーなトピックとして取り上げられた収蔵遺物を紹介しています。

動物形内蔵土器

動物形内蔵土器

この壺形土器は、底の内側に動物をかたどった土製品が貼り付けられている大変不思議な土器です。昭和50(1975)年に県教育委員会が行った青森市近野(ちかの)遺跡の調査によって発見されました。
同様の土器は、これまで9点の出土が報告されていますが、形のわかる完形品はこの1点しかありません。
いずれも縄文時代後期前葉の「十腰内I式」という形式の土器で、出土した場所も青森県と秋田県の東北北部2県だけに限られている非常に珍しい土器です。この壺形土器以外はすべて底部の破片で、青森県では、六ヶ所村上尾駮(2)遺跡から3点、青森市小牧野遺跡から1点、秋田県では鹿角市大湯環状列石から3点、小坂町小坂環状列石から1点が出土しています。
内部の「動物形」は、青森県のものでは四肢を横に平行に、秋田県のものではX状にひろげているという違いがみられます。
また、貼り付き方では、腹這いになったものと四肢をはって腹部を上げているものとがみられますが、ほとんどのものは腹這いのようです。

さて、この完形品の土器に内蔵されている「動物形」は、上から見ると四肢を平行にしていることは確認できましたが、どういう貼り付け方をしているのでしょうか。当センターのエックス線装置を使って透過撮影を行ってみました。

動物形内蔵土器X線写真

横方向からの撮影から、四肢をはって、腹部を浮かしているのがわかりました。
 しかし、普通には内部をみることのできないこのような不思議な土器は、何のために作られたのでしょう。また、この「動物形」はどのような動物を模したのでしょうか。
 「祭祀に使われたものではないか。」というのが有力な考えのようですが、詳しくは判っていませんし、また、「クマ」ではないかとの説や「イノシシ」との考えもありますが、これもはっきりとはしていません。

このような古代人の不思議や秘密を、長い間この土器の底に隠された動物のように、静かにゆっくりと考えてみませんか。  (県埋文センター 白鳥 文雄 2003年2月)


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