鶴田町稲元遺跡
青森県西部の鶴田町にある本遺跡は、ちょうど岩木山の裾野の北北東の端が津軽平野に接する標高14~24mほどの丘陵の上に位置しております。
あたり一体は、リンゴ園に囲まれた静かな農村地帯で、ここからは眼前に津軽平野や岩木山を一望しつつ、遠く八甲田の峰々をも眺望できます。
ここでは近年の調査により、平安時代の集落跡や粘土採掘坑などの存在が知られていました。今回の調査でも平安時代の竪穴住居跡13棟のほか、平安あるいは江戸時代以後の溝63条、土坑40基、ピット58基などが発見されました。
遺物の量はダンボール7箱程度でしたが、平安時代の土師器・須恵器・鉄製品を中心に、江戸時代の銭貨・喫煙具なども見つかっています。
道路幅の限られた調査ではありましたが、これまで発掘調査があまり行われていなかった鶴田町において、比較的大規模な10世紀前後の集落の存在が浮かび上がってきたことに加え、江戸時代から現代にかけての人々の暮らしぶりを知る手がかりを得ることができました。
遺跡から岩木山を南望する
調査区から北東に津軽平野を眺める
焼失住居跡(平安時代)
平安時代の住居跡から出土の炭化種実(クリ)