平成29年度「夏休みに考古学者になろう!」実施報告
― 発掘体験、整理・研究体験 ―

 

 「夏休みに考古学者になろう!」は、青森県埋蔵文化財調査センターで実施している教育普及活動の一つです。

 一日目の発掘体験、二日目の整理・研究体験を通じて考古学に親しんでいただく催しです。

 平成29年度は、7月26日(水)に青森市宮田の米山(2)遺跡で発掘体験を、翌27日(木)に青森県埋蔵文化財調査センターで整理・研究体験を行いました。発掘体験に26名、整理・研究体験に30名、延べ56名の参加がありました。

 

一日目:発掘体験

 朝から天気に恵まれ、予定どおり始めることができました。所長の挨拶などに続き、午前中は遺跡の見学と発掘体験、午後は測量や記録の体験をしました。

 

【プレハブでの遺跡説明】 米山(2)遺跡と周辺にある遺跡の様子についての職員からの説明を、参加者は熱心に聞き入っていました。

 

【出土品の見学】プレハブには米山(2)遺跡から出土した遺物が展示され、土器や石器に興味しんしんでした。

 

【調査現場での遺跡説明】 発掘調査現場へ出向き、実際の遺構や発掘作業を見学しました。大小様々な大きさの穴や、水がたまっている溝などに目を見張り、発掘作業している作業員の様子をみて、これからの発掘体験に期待が高まります。

 

【発掘体験】いよいよ発掘体験が始まり、参加者の皆さんは夢中になって掘り進めました。縄文時代の土器の破片などが、すぐに出始めました。

 

【発掘体験】遺物が出土した場所には竹串を立てます。あちらこちらから「出た!」と声が上がり、時間の経過とともに竹串がどんどん増えます。

 

【写真撮影】土器片が出土した状況を写真撮影し、記録することにも挑戦してみました。なかなか三脚を使っての写真撮影をしたことはないかと思いますが、神妙な面持ちでシャッターを切っていました。

 

【遺構の実測体験】土坑や柱穴といった多くの遺構の中から、平面図を描き、長さ・幅・深さなどを記録しました。底面や壁の状況も観察し、記録しました。

 

【土層観察と断面実測体験】土層の堆積の様子を観察し、断面図を実測し記録しました。カラフルな土色帖と見比べ、各土層の色調も記録しました。

 

【レベルを使った水準測量体験】測量基材であるレベルをのぞき込んで、水準測量の体験をしました。高学年以上の参加者は、標高値(海抜〇m)の計算にもチャレンジしました。

 

【各自調査成果の発表】一日の発掘と測量体験の成果を一人ずつ発表しました。いろいろな発見が披露されました。暑い一日でしたが、お疲れさまでした。

 

 

 

二日目:整理・研究体験

 二日目は、埋蔵文化財調査センターの中を見学し、報告書刊行にいたるまでの整理作業や研究方法などを体験しました。午前中は所内施設見学と水洗・注記体験、午後は接合、拓本、実測、研究などのいろいろな体験活動です。

 

【水洗い体験】各遺跡から出土した遺物はセンターに運び込み、水洗いをします。発掘体験した米山(2)遺跡から出土した土器を水洗い体験しました。

 

【注記体験】水洗いした遺物は乾燥し、出土遺跡や場所を示す番号を書き込みます。今回は模造品の土器に自分の名前などを機械を使って注記してみました。

 

【収蔵展示室の見学】これまでに報告書が刊行された遺跡の出土品が収められている収蔵展示室を見学しました。たくさんの土器や石器に驚きの声があがりました。

 

【整理室の見学】午後は、報告書刊行を目指して進めている整理作業の様子を見学しました。その後、5つの整理・研究ブースからそれぞれ興味・関心のある体験活動を選び、取り組みました。

 

【@土器接合ブース】縄文時代の土器で接合作業を体験しました。立体パズルを組み立てる感じで、くっつくと思わず笑みがこぼれます。夢中になって何個体も挑戦する人が続出です。

 

【A土器文様観察ブース】縄文土器の文様を付ける道具(施文具・原体)を、いくつかある模型の中から見つけ出すブースです。模型を粘土に転がしてみて、探し当てることができました。中には、自分で縄を撚って、自分で模型を作る猛者もいました。

 

【B土器図化記録ブース】縄文土器の拓本をとって、断面図もきれいに描き、土器片の図化作業を体験しました。土器の質感や胎土に含まれる砂粒なども観察しました。

 

 

【C顕微鏡観察ブース】遺跡から出土した緑色に輝く綺麗な虫や、いろいろなタネを顕微鏡で観察しました。長時間のぞき込んで、すっかり研究者になった子もいました。

 

【Dいろいろな本で調査ブース】当センター5万冊以上の図書だけでなく、青森県立図書館司書が選んだ、分かりやすく楽しくなる遺跡・考古学の本を読んで、いろいろなテーマの研究をしました。

 

【整理・研究成果の発表】午後、各ブースで整理・研究した成果について、一人ずつワークシートを見せて、発表しました。観察して気づいたことや、調べた土器や遺物の特徴などが披露され、大きな拍手をもらっていました。熱心な整理・研究、お疲れさまでした。

 

 

 

 

【1日目−発掘体験感想文】

◆小学2年生 男子

 きょうはじめてたいけんしてみて、たのしかった。

いちばんたのしかったことは、いせきをやったことです。どうしてかというと、いせきをほれたからです。

◆小学4年生 女子

 土器や石器を見つけられたのでよかったです。思ったよりもたくさんとれました。われないように土の中から発くつするのが少しむずかしかったです。でも色々な所から発くつするのがすごく楽しかったです。昔の人の住んでいた家の柱のあとや、土の色などを教えてもらって、勉強になりました。おもしろかったです。また行きたいです。

◆中学1年生 女子

 私は、発掘をして、たくさん土器が出てくることにおどろきました。そして発掘をするだけでなく、測量など、いろいろな記録をする仕事もあり、大変でしたが、おもしろかったです。カメラで自分が掘り当てた土器をとったりできて良かったです。また、レベルの使い方では、最初は難しかったですが、最終的には理解することができ、うれしく感じることができました。たくさんの作業を体験できて、学校でも歴史をやっていて、役立つことがあればいいな。と思います。そして、また、このような体験があれば興味をもってやりたいとおもいました。分からないことがあっても、スタッフのみなさんが丁ねいに説明してくださり、とてもありがたいと思いました。

 

【2日目−整理・研究体験感想文】

◆小学3年生 女子

 土をおとしたことが楽しかったです。

 どきのもようのかんさつでは、なわをころがす方こうによって、もようがかわるということがはじめて知りました。けんびきょうでたねを見たら、イネとオオムギのとくちょうがにていてむずかしかったです。ありがとうございました。

◆小学4年生 男子

 いろいろと知らないことがいろいろありました。たとえば土器にもようをつけるときには、もようをつけるじゅんびをするということです。まず、ひもで、玉むすびにしたり、ひもを竹にまきつけたり、ひもをねじったりして、もようをつけていたと分かりました。

 次に、ひもの、まわす向きによって形がかわると分かりました。

◆小学6年生 男子

 今日の午後の接合体験、文様観察、断面図、顕微鏡観察があって全部できて良かったです。ぼくは特に文様観察がとてもおもしろかったです。縄文土器の色々な文様がきれいで、単節をさらにねじると複節になることが分かりました。来年、またこういう楽しい機会があればきたいと思いました。昨日今日と続けてとても楽しかったです。