【実施報告】

平成28年度 「夏休みに考古学者になろう!」
― 発掘・出土品整理体験 ―

 

 「夏休みに考古学者になろう!」は、青森県埋蔵文化財調査センターで実施している教育普及活動の一つです。
 一日目の発掘体験、二日目の整理体験を通じて考古学に親しんでいただく催しです。
 平成28年度は、7月27日(水)に弘前市小栗山の沢部(1)遺跡で発掘体験を、翌7月28日(木)に青森市新城の青森県埋蔵文化財調査センターで整理体験を行いました。発掘体験に33名、整理体験に33名、延べ66名の参加がありました。

一日目: 発掘体験
 天気に不安がありましたが、開始時刻までには雨があがり、予定どおり始めることができました。所長の挨拶などに続き、午前中は遺跡の見学と発掘体験、午後は測量や写真撮影の体験をしました。


【遺跡見学の様子】 沢部(1)遺跡からは平安時代の遺構、遺物が確認されています。調査を担当している職員から竪穴(たてあな)住居の説明や、製鉄に関連する遺構の説明がありました。


【発掘体験】いよいよ発掘体験です。途中から少し雨がふって来ましたが、参加者の皆さんは夢中になって掘り進めました。平安時代の土器である「土師器(はじき)」や「須恵器(すえき)」の破片などが出始めました。


【発掘体験】遺物が出土した場所には竹串を立てます。あちらこちらから「出た!」と声が上がり、時間の経過とともに竹串がどんどん増えます。


【室内で】昼過ぎには雨のため予定を少し変更しました。室内で発掘調査の進め方の説明を聞き、スライドを使った「クイズ青森県の考古学」を楽しんでいるうちに雨があがりました。


【測量体験】レベルという高さを求めるための測量器機(手前)を実際に操作してみました。写真奥の方ではパソコンと連動した測量器機を使った平面図作成の様子を見学しています。


【標高の計算】レベルで読み取った数値をもとに、遺跡で見つかった石などの標高を計算してみました。


【土の観察】竪穴住居跡の中に堆積していた土の色や硬さを調べました。土の色は「土色帳」を使って記号でも表してみました。


【写真撮影体験】一眼レフカメラを使って遺構の写真撮影も体験しました。


二日目: 整理体験
 二日目は、埋蔵文化財調査センターを見学し、報告書刊行にいたるまでの整理作業を体験しました。午前中は所内の見学と水洗・注記体験、午後は接合・拓本・実測体験などです。


【展示遺物の見学】センター内の展示遺物を職員の説明を聞きながら見学しました。


【収蔵展示室の見学】これまでに報告書が刊行された遺跡の出土品が収められている収蔵展示室を見学しました。たくさんの土器や石器に驚きの声があがりました。


【整理室の見学】今年度中の報告書刊行に向け、現在整理作業を行っている様子を見学しました。


【水洗い体験】各遺跡から出土した遺物はセンターに運び込み、水洗いをします。沢部(1)遺跡から出土した土器などで、水洗いを体験しました。


【注記体験】水洗いした遺物は乾燥し、出土遺跡や場所を示す番号を書き込みます。今回は模造品の土器に自分の名前などを機械を使って注記してみました。




【接合体験】縄文時代の土器で接合作業を体験しました。立体パズルを組み立てるような感じで、接合すると思わず笑みがこぼれます。夢中になり、休憩時間になってもそのまま続ける人が続出しました。




【拓本体験】縄文土器の文様を墨(すみ)で写し取る拓本(たくほん)の体験もしました。



【実測体験】拓本をとった土器の断面の実測にも挑戦しました。ディバイダーというコンパスに似た道具で土器の厚さを測り、断面図を仕上げました。




【発表】拓本をとり、断面を実測した土器をよく観察し、ワークシートにまとめました。最後に土器の特徴や、観察して気づいたことを発表しました。


【1日目発掘体験感想文】

●小学4年生 :女子
 「考古学者になろう!」の体験に母にさそわれて来ました。どんなことをするのかなと思いながら、わくわくしてきました。
いせきの地形が丘だったので、ななめの所に家が立てられていて、大変だったのかなと思いました。でも、とてもながめがいいところだったので、1000年前の人たちも、同じながめをみていたのかなと思いました。
 ほって気づいたことは、土は、やわらかい所や、かたい所があるということです。やわらかい所は、すごくほりやすく、ほろほろしていました。かたい所は、少しほるのがむずかしかったです。出土したいぶつは、土器のかけら、動物の歯などです。
 土器のかけらは、赤色でした。動物の歯は少し茶色になっていました。赤色が少しきれいでびっくりしました。土器が出てきて、うれしかったです。

●小学6年生 :男子
 今日、はっくつ体験をして、測量などいろいろなことをやって、分かったことがありました。まず、なぜここに遺跡があるのが分かるかについてです。遺跡は、元もとの所に、土ぐうなどがうかびあがってくるから分かることが分かりました。あとは、なぜ正確にほれるかです。それは、土の色のこくなっている所がなにかあった場所だと分かったので、正確にほれることが分かりました。あしたも楽しみです。

●中学2年生 :男子
 今回の「考古学者になろう」1日目では、発掘と発掘の記録の仕方を学びました。沢部(1)遺跡では、炉や鉄さいや金属製の道具などが発掘されていて、傾斜に棚田のように家の跡が並んでいました。発掘体験では、小さな土器のかけらがたくさん出てきました。ぼくは、その1つ1つが1000年前の人たちが、作ったもので、実際に使われていたと思うと、とてもすごいことだと思いました。平安時代の人々の使っていた土器を発掘し保存することで、後世に伝えていければよいと思います。沢部(1)遺跡は発掘が終わると道路を作るそうです。そして、この遺跡は1つの本として保存されると思うと、不思議な気持ちになります。もったいないような気がしますが、仕方ないのでしょうか。


【2日目-整理体験感想文】
●小学5年生 :男子
今日、土器の接合をやって、むずかしかったです。初めて土器の接合をして、最初は、簡単だと思っていました。なかなかあうのが、見つからなくて、苦労しました。やっと、くっつくものが見つかって、テープで、止めました。1回あうのが、見つかったら、沢山見つかりました。口唇部、口縁部の半分以上出来ました。最初のは、むずかしくて、苦労したけど、1ペア見つかったら、どんどん見つけて、くっつけていたので、良かったです。

●小学6年生 :女子
 しせつの中をまわったり、土器をあらったり、組み立て、などの体験をさせてもらって、土器をみがくのは、なかなかおちないところもあったけど、歯ぶらしなどてみがくと、すぐとれて、やっときれいになってうれしかったし、楽しかったです。
 組みたては、なかなかパーツがみつけられなくて、とてもつかれたけど、やっとみつけて、つなげられたときは、すごく、うれしかったです。私は、体験をするまで、かんたんだと思っていたけど、意外と、パーツがこまかくて、1つのものを組みたてるだけでも、とても大変だなということを実感しました。
 むしあつい中でしたが、いろいろな体験ができてよかったです。
 夏休みの自由研究でもいかしてみたいです。

●中学1年生 :男子
 今日は、遺物の水洗い、注記、接合・復元、拓本・断面実測をしました。
 遺物の水洗いでは、出土品についている土や泥を落とす作業をしました。時間の中で、できるだけ丁寧に、土・泥を落とす難しさを実感しました。
 注記では、遺物に入力したい文字を入れて、ペダルを押すと文字が入力される、ハイテクさを感じました。
 接合・復元では、遺物のかけら同士、うまくかみ合う物をさがし、復元させるおもしろさがありました。
 拓本・断面実測では、すみを使い、遺物の拓本をとったり、遺物のかけらを切断せずに断面図を作るすごさが感じられました。
 機会があれば、また参加したいと思います。



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