【実施報告】

夏休みに考古学者になろう!
― 発掘・出土品整理体験 ―
   


 平成27年7月22日(水)と23日(木)の両日に、青森県埋蔵文化財調査センターの教育普及活動の一つである「夏休みに考古学者になろう!-発掘・出土品整理体験-」が実施されました。
 一日目は弘前市の沢部(2)遺跡で『発掘体験』を、二日目には青森市の県埋蔵文化財調査センターで『出土品整理体験』が行われ、参加者はそれぞれに考古学について学びました。

【一日目:-発掘体験-】

 今年は、晴天に恵まれ今季一番の暑さのなかで発掘体験が開催されました。一日目の参加者は24名でした。

 センター所長のあいさつの後、発掘担当者から沢部(2)遺跡の発掘調査について、遺跡の時代や発見されたものの説明を受けました。貯蔵穴である大きなフラスコ状土坑や、石で囲んだ炉跡をもつ竪穴住居跡を間近にして、興味がさらにふくらんでいるようでした。

 この後、発掘の進め方と道具の使い方の説明が行われ、参加者は班分け後に発掘地点へ向かいました。開始早々は、緊張してか?移植ベラでの掘り下げもなかなか難しいようでした。しかし、すぐに土器片が見つかると歓声をあげる子供もいました。また、発掘担当者から「一カ所だけを深く掘らないように」と言われ、発掘調査の難しさと楽しさを堪能していたようです。午後には、自分の手で掘り出した遺物を水洗いして、出土状況の記録写真も実際に撮影しました。カメラに触れるのも初めてで、緊張しながらもカメラの操作も楽しんでいました。

 写真撮影後は、遺物カードに出土位置などを記入して、遺物の取り上げ作業も体験しました。さらに、調査機材のレベルを実際に操作し、測量の一部も体験してもらいました。

 今季一番の暑さでの発掘体験も、熱中症などアクシデントもなく無事終了することができました。

 写真1:所長あいさつ

 写真2:遺跡概要説明

 写真3:発掘体験1

 写真4:発掘体験2

 写真5:写真撮影体験

 写真6:測量体験


【二日目:-出土品整理体験-】

 二日目の参加者は24名でした。まず、担当者から青森県埋蔵文化財調査センターの仕事についての説明があり、現場で出土した遺物が、どのような順序で整理されて最後に報告書という形になるまでを、センターの施設を見学しながら、各整理の作業を実際に見てまわりました。

 はじめは遺物収蔵庫から見学です。センターでは、これまで平均して段ボール箱で年間約800~1,200箱の遺物が出土していること、それらの整理作業が終了して多量に保管されていることに驚いていました。

 注記室では、土器に名前がプリントされる速さに驚いていました。パソコンに自分の名前を入力し、土器等のレプリカにプリントされると喜んで、2個3個と作業していました。

 水洗い室では、土器と石器の水洗い体験です。はじめは遺物を片手に、慎重にブラシを動かしていましたが、土で覆われた土器片の文様が鮮明に見えてくると、興味が増し夢中で作業していました。

 次に、各チームの整理作業を見学しました。石膏による復元作業を興味深く見入っていました。その後、収蔵展示室で遺物を見学しました。
 
 土器の接合作業では、最初コツがわからず手間取っていましたが、土器片の文様や色、形や厚さなどを手がかりするというヒントから、次々に土器をくみあげていきました。

 続いて、土器の拓本とり体験です。拓本作業は発掘調査報告書に掲載する土器片の文様を写し取る目的があるとの説明を受けた後、和紙を土器に被せ、水をしみこませた脱脂綿で土器と紙を密着させます。水を付けすぎて紙が破けたり、土器に貼り付けた紙から気泡が上手くとれなかったりなど、苦戦した参加者もいました。コツをつかんだ後は、墨(黒色)だけでなく、赤・青・緑などの色をつけて、きれいな拓本を完成させました。

 写真7:収蔵展示室見学

 写真8:土器接合体験

 写真9:石膏入れ見学

 写真10:拓本体験


参加者感想文


【発掘体験】
● 実際に発掘をして、最初は簡単なことだと思って、軽い気持ちでやっていました。
でも、やってみたら、腰や、足が痛くなりました。なので、発掘をやっている方々は、こんなつらい思いをしていることがわかりました。でも、たくさんの土器が出てきて、夏休みのいい思い出になりました。(小学6年)

● ぼくは、6年生で歴史をやっていたので、縄文土器や矢じりのことを知っていてプレハブの中に来た時に、矢じりの先の部分や石さじがあって、この二つのどちらかを目標にして体験しました。掘っていくうちに場所が変わり、そうしたら沢山の土器があって、楽しみながら掘っていきました。何回も掘っていくと、弟は少し珍しい石さじを見つけたのでみんなに「すごーい」と言われていて、僕も石さじを見つけたいと思って掘って行きました。土器は見つかるけど石器は全然なかったです。洗うのは大変でなかなか土が取れなくて大変でした。
遺物写真の写り具合は、すごくよくて少し感動しました。弘前での発掘体験はとても楽しかったです。(小学6年)

● 初めての発掘体験でした。自分が触っている土、出てくる土器や石が当時、縄文時代の人たちが触っていたことを思うと、不思議な気持ちになります。毎日発掘されている方たちは、暑い中本当に大変だと思います。今後もこのような体験の機会がありましたら参加したいと思いました。(保護者)


【出土品整理体験】              
● 体験二日目は、施設を見学しました。土器の注記体験もできました。レーザーから目に見えない何かが出て、名前を記入しているという所にびっくりしました。一番楽しかったのは、水洗いの体験でした。土器の破片を洗うのは、軽くたたいたり、こすると土などが取れました。大きい石を洗ってみると、手が疲れました。土器破片と石では洗うブラシが違いました。石のブラシの方がかたそうなブラシでした。洗うのは大変なのに、働いている人はとてもすごいなと思いました。土器の破片をくっつけるのもむずかしくなかなかぴったり合いませんでした。石こうという、すき間をつめるのも、見たらとても難しそうでした。今度私も体験したくなりました。ここで働いている人は難しいことも上手にできて、とてもすごいと思いました。注記体験、土器や石の水洗い、土器をくっつけるのも、全部難しかったです。また次回も体験してみたいです。(小学4年)

● 今日土器と土器をテープでくっつけて形にしたり、土器を洗ったり、土器の模様を紙に写しとったりしました。どれも難しかったです。あと、土器が昔は墓になっていたことがびっくりしました。特に土器と土器をテープでくっつけて形にすることが、テープをくっつけてもくっつかなくてとても難しかったです。でも楽しかったです。土器じゃないけど名前を入れるのも楽しかったです。この2日間は、大変だったけどとても楽しかったので、また、やってみたいと思いました。(小学5年)

● たくさんの工程を経て博物館に並んでいる展示物になることを知りました。一つ一つ細かく気の遠くなるような作業の積み重ねであることに、感心しました。子どもたちもどの体験も興味を持ち集中していて連れてきてよかったと思います。(保護者)